ドナルド・トランプ大統領は8月17日(土)、Twitterで次のように発信した。
「ANTIFAに対して『テロ組織』というネーミングを与えるかどうか、大きな決断を迫られている」
きっかけは、オレゴン州ポートランドで、トランプ政権を支持する集団と、「反ファシスト」を掲げるANTIFAと呼ばれるグループの双方がデモを組織して、衝突すると見込まれたことだ。トランプ大統領の発言は、このポートランドでの衝突予測に対して、事前警告の意味で発信された。
実際にその日、トランプ支持を訴える集団と、ANTIFAの集団とがポートランド市内で衝突した。これによって6人が軽傷を負い、1人が病院に運ばれた。また、「無秩序なデモの開催」、「警察への公務執行妨害」などの容疑で、13人が逮捕された。
ANTIFAと左派の言論弾圧
ANTIFAグループは、「暴力的なヘイト活動を行なう極右グループからポートランドを守るため」に活動していると主張する。たしかに、トランプ支持の集団のなかにはプラウド・ボーイズ(Proud Boys)やパトリオット・プレイヤーズ(Patriot Prayers)といった極右集団が含まれていた。これは事実だ。
しかし、ANTIFAの実体はどうだろうか。アンチ・ファシズムを掲げつつ、保守派やトランプ政権を支持するグループの集会などに対して、暴力的な妨害行動を行うのが彼らである。
私たちも、オーストラリアでのCPACにおいて、ANTIFAの集団が会場に押し入ろうとしたり、シュプレヒコールを上げたのを実際に目にした。CPACにはどこにも、「暴力的なヘイト活動」など存在しなかった。そればかりか、これは明言しておかなければいけないのだが、アメリカ保守連盟(ACU)とパートナー協定を結ぶ団体(JCUもそうである)は、人種主義(レイシズム)に強く反対している。
そもそも左派勢力は、「ポリティカル・コレクトネス」(政治的正しさ)など様々なコードを勝手にでっち上げ、気に入らない組織の発言を封殺しようとする傾向が強い。「リベラリズム」が自由主義を意味するのなら、彼らほど自由主義と程遠い人々もいないのではないか。
日本での「言論の自由」のために
日本にも、ある女性アーティストのライブについて、「旭日旗持ってるアホ客から奪い取って揉めごとになるぐらいでちょうどいい」などという左派は存在する。それなのに彼らは「リベラル」を自称しているから、これを批判するとすぐに「表現の自由に対する弾圧」などという言葉を振りかざす。
私たちのJ-CPAC2019(8月31日・9月1日に東京・恵比寿で開催)では、こうした左派による暴力的な言論統制、言論弾圧について、議論を戦わせる。ホワイトハウス元報道官のマーシー・シュラップ氏、FOXテレビのサラ・カーター氏、国際政治学者の藤井厳喜氏など、多くの知識人の率直な発言を聴く機会である。真に自由な言論を求めるのは誰なのか、一目瞭然のはずである。