GSOMIA破棄で連携する文政権と北朝鮮
2019/07/31

GSOMIA破棄で連携する文政権と北朝鮮

728日(日)、北朝鮮の対外宣伝ウェブサイト「わが民族同士」が、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を韓国に要求した。ついに、北朝鮮は自らと「友好関係」を築いた文在寅政権を利用して、最も望んでいた成果のひとつ、日米韓の軍事同盟への切れ目に着手したのである。

 

 

GSOMIAとはなにか

GSOMIAとはどのようなものか、簡単に確認しておこう。GSOMIAとは、「情報包括保護」という名前の一部からわかるように、秘密軍事情報を提供し合う際に、第三国への漏洩を防ぐことを目的として結ばれる協定である。対象となるのは、軍事技術、戦術データ、暗号情報、秘密情報活動など、有事の際に共同行動を可能とするための情報のほぼすべてである。

 

 

言い換えると、この「保護協定」がなければ、必要な情報をその都度、別の同盟国を経由するなどして共有しなければならない。すると、共有の遅れなどによって、有事の際の共同行動が円滑に機能しなくなる恐れがあるのだ。

 

 

こうした協定は韓国に限らず、日本はアメリカやNATOと協定を結んでいる。韓国とは、2016年にようやく締結にこぎつけ、以後、1年ごとに自動延長されてきた。

 

 

「安全保障カード」を切る文政権

ところが、このGSOMIAを文政権は、交渉カードとして利用するという暴挙に出た。

 

 

ことの発端は、718日(木)、韓国大統領府の鄭義溶国家安保室長が、「(GSOMIAを)今は維持する立場だが、状況に応じて再検討もあり得る」と述べたことである。日本による半導体関連素材の輸出規制措置に対抗し、韓国は安全保障カードを切る、と脅してきたのである。これに、文政権を支持する市民団体なども同調した。

 

 

軍事情報の直接共有が可能となるGSOMIAは、本来的には互恵的なものである。日本と韓国は協定の締結以前、アメリカを経由して限られた範囲内で情報を共有していた。ところが、「高度化、加速化、現実化している北の核・ミサイルの脅威などに対し、日本の情報能力を活用することで、われわれの安保利益を高めることができる(韓国国防省)」として、協定交渉が進められた。韓国はどちらかといえば、この協定の受益者だったのである。

 

 

にもかかわらず、文政権はこのGSOMIAの破棄に言及した。半導体に関する輸出規制を解除しなければ、あらゆる手段を使うということだろうか。あるいは、もはやGSOMIAから受益するものはない、つまり北朝鮮のほうが日本より近しい味方となった、ということだろうか。

 

 

小躍りする北朝鮮

この文政権の方針に北朝鮮が小躍りしたであろうことは、誰が見てもわかることだ。北朝鮮は論評記事のなかで、GSOMIAを「日本に軍国主義復活と朝鮮半島再侵略の足場を提供する戦争協定だ」と主張、「民衆の心は親日売国の協定破棄を求めている」としてし、韓国の主導的な破棄を求めた。

 

 

無理はない。日本と韓国が情報を密に共有し、有事の際に順調に共同行動ができるように備えた協定である。当然、念頭に置かれている「仮想敵国」は北朝鮮である。

 

 

実は北朝鮮は、2012年にGSOMIAをはじめて日韓が締結しようとした際、左派勢力を使って反対運動を進めた。韓国政府は当初、反対運動の展開を予期していたため、秘密裏に日本政府と交渉を行っていたほどである。ところが、締結直前になって協定の存在が初めて韓国国民に明らかにされてなお、猛烈な反対運動が起きたのである。このため、締結予定時刻の1時間前に韓国政府から延期の申し入れがなされ、2016年まで協定が結ばれることはなかった。

 

 

これほど、北朝鮮にとってGSOMIAは邪魔な存在だったのである。

 

 

文政権は北朝鮮の虜か

協定締結から3年、北朝鮮にとってみれば、この日韓関係の悪化は「千載一遇のチャンス」なのだろう。

 

 

一方、文政権は北朝鮮とこのようなかたちで「協力」し、半島全体の左傾化に力を貸している。韓国が自由主義陣営から脱落しようとしている現状を、我々はただ傍観しているしかないのだろうか。そうした場合、我々の「脇腹」に金体制の脅威が露骨に突き刺さるのを忘れてはいけない。

 

 

こうした韓国の危機を、ACUのゴードン・チャン氏は早くから見抜いており、『失われる韓国』(Losing South Korea)という著書を発刊している。J-CPAC2019では、ゴードン・チャン氏が来場し、まさにこの本に即した韓国の「失われゆく姿」と「今後の日米の行動方針」について議論する。日韓関係の今後、左派に占拠されつつある韓国の今後が気になる方は、どうか参加されたい(残席僅か!)

 

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