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CPAC2020レポート

 2020.03.17
CPAC2020レポート

2020/2/26〜29 U.S. MD,Gaylord National Resort & Convention Center

 

CPAC(The Conservative Political Action Conference:保守政治行動会議)が、2月26日から29日の日程で、米国首都ワシントンD.C.近郊ゲイロード・ナショナルリゾート&コンベンションセンターにて開催され、JCUが窓口となり日本から45名の保守派有志が参加した。

CPACは、毎年2月下旬に3泊4日で開催される世界で最大かつ最も影響力のある保守派の年次総会。米国トランプ大統領やペンス副大統領をはじめ、数百の保守派シンクタンクや草の根運動団体、約19,000人を超える活動家、識者や政治家、言論人などが結集して開催される。全メディアがCPACでの議論を連日中継・報道を行い、全米が注目する。

 

 

今年は「America vs Socialism」(アメリカ合衆国 対 社会主義)というテーマを掲げて、大統領選挙の争点にもつながる議論をおこない、アメリカ社会と世界に蔓延る社会主義に対抗するために白熱した討論が重ねられた。

 

2020年は、米国大統領選挙の年であり、例年よりも多くの参加者で会場も熱気を帯びた。大統領選挙に影響を与えることで注目されるストローポール(CPAC参加者による模擬投票)の今年の結果は、トランプ大統領への承認が95%と過去最高の数値を示しており、トランプ大統領の再選への保守派の底堅い支持が明確になった。

CPAC2日目、ペンス副大統領の演説では、「社会主義は、あらゆる大陸、あらゆる時代において、試みられたすべての場所で失敗した。奴隷制を終わらせ、2つの世界大戦を終わらせたのは、社会主義ではなく、自由である。アメリカ合衆国は決して社会主義国家とはならない!」とアメリカ国内外に対して力強い口調で語った。そして、「社会保障と環境問題を通じて社会主義が広がっているが、社会主義の理想と現実は違う。歴史的には、社会主義は人々を貧困にし、自由を奪った。世界で最も自由な米国国民は、どの国よりも豊かであることが真実です。」と保守主義に基づく正義を訴えた。「3年という短い期間で、私たちは再びアメリカを素晴らしい国に変えました!しかし、アメリカを偉大な状態に保つために、アメリカが今後4年間、トランプ大統領をホワイトハウスに留めることに投票することを今すぐ決める必要があります!」と参加者全員に行動を呼びかけ会場は歓声と拍手に沸いた。

 

最終日、トランプ大統領の演説がメインイベントとしてCPAC最大の盛り上がりとなった。数千人の参加者が受付前の朝5時から長蛇の列をつくり、開始前から熱気に溢れていた。トランプ大統領は、「政権の功績を神の恩恵であることに感謝を捧げると共に、国を愛し、歴史を尊重し、憲法を守り、常にアメリカ合衆国を第一に考えている皆様と一緒に、再びCPACに登壇できることを誇りに思う」と1時間半におよぶ演説を行った。一流のテレビMC以上に流暢なスピーチは、ジョークやモノマネも含んだエンターテイメントショーの様相で、会場が盛り上がる中、民主党の主な大統領候補に対する批判をしながら、今までの実績を確認して、さらなるアメリカの偉大なる復活を訴えた。

大統領は3年間の実績として、失業率は最も低い率に達し、若者の賃金は16%上昇、200万人以上の若者世代が仕事を手に入れ1,000万人は生活保護から自立し、700万人はフードスタンプが不要となったなど、具体的数値を示し、偉大なアメリカの復活の真只中にいることを高らかに宣言。

 

また、ISの排除やスレイマニ司令官殺害、タリバンとの合意によって、19年にもおよぶアメリカ史上最長となっていた中東での戦争を終わらせたことを報告。さらに、「アメリカはエネルギーの独立を宣言する。私たちは他国のエネルギーに依存しない。これは大きなことだ!」と産油国の思惑に左右されないエネルギー安全保障についても明言した。

 

安全保障に関して、「アメリカ軍は全世界の警官になることはできない。私たちは世界中にいる。そして多くの場合、感謝されていない。当たり前だと思われている。私たちは世界の警察官や民主主義の構築者になることはできない。困難を抱えるすべての国、特に私たちのしていることに感謝しない国で行うことができない。そのような国が数多くあります。」と指摘し、各国が独立自尊の姿勢を持つことを要請した。今後、日本も自立した普通の国家として平和に貢献できる軍事力を求められることになることを再認識した。

 

 

大統領選挙については、民主党候補者の批評を総括して「社会主義勢力はあなたのお金を奪い、あなたの選択を奪い、あなたの言論を奪い、あなたの銃を奪い、あなたの宗教を奪い、あなたの歴史を奪い、あなたの未来を奪い、最終的にあなたの自由を奪います。しかし、私たちは彼らにそれをさせない。最高の経済、最高の軍隊、史上最高の減税、史上最高の規制削減。今日ここにいる皆さんの助けを借りて、アメリカンドリームはかつてないほど大きく、良く、強くなった。アメリカ合衆国は常に勝利に向かって行進しますCPACのすばらしい愛国者に感謝します。神のお恵みがありますように。ゴッド・ブレス・アメリカ。来年もCPACで会いしましょう。」と締め括った。

 

大統領の投げかけるメッセージの一つ一つに対して、満員御礼の聴衆がスタンディング・オベーションで賛同の意を表し、「Four More Years!」(再選して後4年続けよう!)の大合唱が響き渡り、アメリカの新たなる建国への大きなエネルギーが満ち満ちていた。CPACでは、主権者が指導者を選び、未来が創造される民主政治のダイナミズムが実現している。

 

今回、特筆すべき点として、CPACの歴史において2020年から「International CPAC」という新しいプラットフォームが創設された。2015年にJCUが設立され、2017年よりJapanese-CPACが毎年開催しているが、これは米国以外では初めての試みであった。JCUを活動モデルとして、2019年はオーストラリア・ブラジル・韓国でも保守派有志が立ち上がりCPACが開催された。

そして、今回のCPAC2020では、今後開催を希望する世界の国々の保守派有志に対する「CPAC International Training」がプログラムとして実施され、JCUあえば議長がレクチャーを行い、各刻保守派の饗宴となったインターナショナル・レセプションでは締め括りとして、JCUあえば議長が世界の保守派の連帯が実現した喜びを祝福し、新しい時代を創造していく希望をスピーチ。さらに、トランプ大統領直前にメインステージで「World is Watching」セッションが行われ、JCU饗庭議長から「社会主義との戦いは、米国のみならず、中国共産党政権による覇権主義の脅威に対抗するために、全世界の心ある保守派が連帯していく必要がある」と保守主義の理念に基づく連帯の重要性を訴え、メイン会場が賛同の拍手で熱くなった。

 

今回のCPAC2020の参加を通して、「日米保守派の連携の重要性」を強く実感するとともに、アメリカとアジア太平洋地域の国々から日本の政治的リーダーシップが求められていることを深く感じた。ACUがCPACを中心として保守派の結集を呼びかけてアメリカの再建を実現したように、日本においてもJ-CPACを通して、全国の保守派有志と連携して日本の再建を実現できるよう取り組んで行きたいと決意を新たにした。